会社から社員にスマホや携帯電話を支給することを考えたとき、法人で契約する場合であっても、大手キャリアとの契約ではなく、格安SIMで契約することでコストを抑えることができます。
個人のスマホ契約と違い、法人契約では、
- 「お客さんや社内の人と電話で話すからかけ放題にしたい」
- 「いつ電話がかかってくるか分からないから電波が繋がりやすい方がよい」
- 「セキュリティ強化や情報漏洩がないようにしたい」
というニーズが強いです。
今回は、法人契約ができる格安SIMのうち、「かけ放題」ができる格安SIMの特徴やメリット・デメリットを比較しておすすめの格安SIMを紹介します。
法人契約ができる格安SIM5社を比較
法人契約ができる主な格安SIMは以下の5社です。
- Y!mobile(ワイモバイル)
- UQモバイル
- BIGLOBEモバイル
- mineo(マイネオ)
- イオンモバイル
Y!mobile(ワイモバイル)
ソフトバンクのサブブランド(格安SIM)である「ワイモバイル」で用意されている法人向けプランです。
個人向けプランが2021年2月18日から始まりましたが、法人向けプランの名称も「シンプルS/M/L」に変更されました。
※旧プランの名称はスマホベーシックプラン
ワイモバイルのシンプルS/M/Lプランの特徴は以下です。
シンプルS/M/Lプラン料金(音声SIM)
シンプルS | シンプルM | シンプルL | |
データ容量 | 3GB | 15GB | 25GB |
月額料金 | 2,178円 | 3,278円 | 4,158円 |
通話オプション
だれとでも定額 | スーパーだれとでも定額 | |
内容 | 10分以内の国内通話無料 | 国内通話がかけ放題 |
月額料金 | 770円 | 1,870円 |
法人契約割引
法人契約割引は、同一請求先内で割引対象料金プラン(「シンプルS/M/L」または「スマホベーシックプラン」)を合計2回線以上契約していると、対象の全回線が毎月770円割引になります。
個人の家族割引と似ていますが、家族割引は2回線目以降が割引になる点で異なります。
法人契約割引は、全回線が割引対象になります。
データ増量オプション
月額料金550円でデータ容量を増やすことができます。
- シンプルS:3GB→4GB
- シンプルM:15GB→18GB
- シンプルL:25GB→28GB
UQ(ユーキュー)モバイル
auのサブブランドである「UQモバイル」で用意されている法人向けプランです。
料金プランは、個人向けプランと同様で、くりこしプランS/M/Lから選ぶことができます。
また通話オプションも個人向けプランと同様の内容となっています。
※くりこしプランは、2021年2月1日から始まったUQモバイルの新プランです。
UQモバイルの特徴は以下のとおりです。
くりこしプランS/M/Lプラン料金(音声SIM)
くりこしプランS | くりこしプランM | くりこしプランL | |
データ容量 | 1,628円 | 2,728円 | 3,828円 |
月額料金 | 3GB | 15GB | 25GB |
超過後の速度 | 最大300Kbps | 最大1Mbps | 最大1Mbps |
余ったデータは、翌月に繰り越すことができるので、ギガをきちんと消費することができます。
通話オプション
月に60分定額 | 10分通話定額 | かけ放題 | |
内容 |
最大60分/月の国内通話が定額 |
10分以内の国内通話無料 | 国内通話がかけ放題 |
月額料金 | 550円 | 770円 | 1,870円 |
※ナビダイヤルへの特番通話は対象外
※1回の通話が10分を超えた場合は、10分超過分につき30秒ごとに税込22円の通話料が発生
節約モードでデータ消費ゼロ
UQモバイルは節約モードに切り替えることで、データ消費をゼロにすることができます。高速通信が必要ないときのネットのブラウジングやSNSの使用などは節約モードでも十分利用することができます。
BIGLOBE(ビッグローブ)モバイル
音声SIMプラン
法人契約の音声SIMは低容量が値下げされています。
標準電話 | 無料アプリ「BIGLOBEでんわ」 | |
国内通話料 | 22円/30秒 | 10円/30秒 |
国際通話料 | 国・地域により異なります | 20円(不課税)/30秒 |
通話オプション
10分かけ放題 | 3分かけ放題 | 通話パック90 | 通話パック60 | |
国内通話料 | 10分以内の国内通話無料 | 3分以内の国内通話無料 | 最大90分の国内通話が可能 | 最大60分の国内通話が可能 |
料金 | 913円 | 660円 | 913円 | 660円 |
mineo(マイネオ)
mineoは、関西電力系のIT・通信会社であるオプテージ(旧社名:ケイ・オプティコム)が運営するMVNO(格安SIM)です。
大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)のSIMに対応しているのが大きな特徴です。なので、3キャリアのどのネットワークを利用するか選ぶことができます。
また、セキュリティ面もしっかりしていて、社内ネットワークへのアクセスをしてインターネットを経由しない、という対応も可能です。
月額料金
容量 | auプラン | ドコモプラン | ソフトバンクプラン | |
データ通信のみ(シングルタイプ) | 500MB | 770円 | 770円 | 869円 |
---|---|---|---|---|
3GB | 990円 | 990円 | 1,089円 | |
6GB | 1,738円 | 1,738円 | 1,837円 | |
10GB | 2,772円 | 2,772円 | 2,871円 | |
20GB | 4,378円 | 4,378円 | 4,477円 | |
30GB | 6,490円 | 6,490円 | 6,589円 | |
データ通信+090音声通話(デュアルタイプ) | 500MB | 1,441円 | 1,540円 | 1,925円 |
3GB | 1,661円 | 1,760円 | 2,145円 | |
6GB | 2,409円 | 2,508円 | 2,893円 | |
10GB | 3,443円 | 3,542円 | 3,927円 | |
20GB | 5,049円 | 5,148円 | 5,533円 | |
30GB | 7,161円 | 7,260円 | 7,645円 |
※価格は全て税込表示
通話オプション
mineoの音声通話は、通常の国内通話と5分以内の通話無料の2種類があります。
5分以内無料通話であれば、月額料金800円(税込880円)で利用できます。
その他
- 余ったデータ容量を社内でシェアできる
- 管理者が使用状況を「企業管理ページ」で一元管理できる
イオンモバイル
イオンモバイルは、イオングループが提供するMVNOで、個人向けプランでは、細かいデータニーズに合わせたプラン展開が特徴です。
イオンモバイルでは、個人だけではなく、法人での契約も可能です。
データ容量は、1GB単位で料金プランが用意されていて、最適なデータ容量を選ぶことができます。
なお、かけ放題オプションはありません。ただし、050かけ放題プランであれば、月額1,078円で国内への電話がかけ放題です。
月額料金
さらにデータ容量を使いたい場合は、「さいてきプランMORIMORI」となり、
- 12GB
- 14GB
- 20GB
- 30GB
- 40GB
- 50GB
が用意されています。
楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT)
楽天モバイル(MVNO)では、法人契約が可能ですが、MNOでの楽天モバイルでは法人契約は不可能です。
→法人契約については、現在未定なので、もしかすると今後法人契約が可能になるかもしれません。
IIJモバイル
IIJモバイルサービスは、法人向けのIIJが提供している通信サービスです。
なお、IIJmioが法人契約は不可なので、IIJmioとは全く別のサービスとなっています。
その他のMVNOについて
- IIJmio:法人の契約不可
- OCNモバイルONE:法人の契約不可
かけ放題プランが選べるのは2社
格安SIMで、かけ放題(完全かけ放題)が利用できるのは、ワイモバイルとUQモバイルの2社でした。
それ以外は、
- BIGLOBEモバイル:10分以内の国内通話無料、90分以内の国内通話無料
- mineo:5分以内の国内通話無料
- イオンモバイル :050で国内通話かけ放題
という感じで、完全なかけ放題ではなく、定額通話オプションという感じです。イオンモバイル は、050の番号なので今回は除外しました。
Y!mobile(ワイモバイル)とUQモバイルの徹底比較
料金シミュレーション比較
法人向けでかけ放題プランを契約することができるワイモバイルとUQモバイル。
この2社について、料金シミュレーションを行なっていきます。
ワイモバイル | ワイモバイル(2台以上) | UQモバイル | |
データ基本料 3GB | 2,178円 | 1,408円 | 1,628円 |
かけ放題オプション | 1,870円 | 1,870円 | 1,870円 |
ユニバーサルサービス料 | 3円 | 3円 | 3円 |
月額料金合計 | 4,051円 | 3,281円 | 3,502円 |
初期手数料 | 3,300円 | 3,300円 | 3,300円 |
特価値引き | 法人ダイレクト特化セール値引き | 要確認 | |
公式サイト | Y!mobile公式サイト | UQモバイル公式サイト |
キャンペーン・割引
ワイモバイルでは、「法人ダイレクト特化セール値引き」という期間限定の値引きがあります。
公式サイト上では、キャンペーンとして公開されていませんが、料金シミュレーションを利用した場合に、法人ダイレクト特化セール値引きを受けられる場合があります。
- ワイモバイル公式サイト
- 法人のお客様をクリック
- 料金シミュレーションをクリック
>>Y!mobile公式サイトで料金シミュレーションを利用してみる
ワイモバイル・UQモバイルのメリット
ワイモバイル・UQモバイルに共通したメリットとしては、
- ソフトバンクとauのサブブランドであることから、ネットワークが安定していて、回線速度が格安SIMの中で速いこと
- 大手キャリアに比べてデータ通信量が安い
- ワイモバイル・UQモバイルは口座振替可能
- 取り扱い端末、対応端末が豊富
- 格安SIMだけどキャリアメールが使用可能
ワイモバイル固有のメリットとしては、
- オンラインで申し込みを完結できる
- 2回線以上の利用で、法人契約割引(月額770円)を受けられる
- 料金シミュレーションから法人ダイレクト特化セール値引きが適用される可能性がある
UQモバイル固有のメリットとしては、
- 個人向けプランと同様の内容でプランを利用できる
- データを翌月に繰り越すことができる
ワイモバイル・UQモバイルのデメリット
ワイモバイル・UQモバイルの共通のデメリットとしては、
- 大手キャリアと比較して、データ無制限や大容量のデータ量プランがない
- 大手キャリアと比較して、店舗が少ないので、対面でのサポートを受けられない場合がある(ただし店舗があればサポートは受けられます。)
- キャリア決済は使用できない
- 登録するときに会社の固定電話番号または050電話番号が必要
ワイモバイル固有のデメリットとしては、
- キャリアメールのうちY!mobileメール(@yahoo.ne.jp)が使えない
- Yahoo!JAPAN IDとの連携ができない(Yahoo!プレミアムが利用できない)
- 留守番電話サービスは月額無料だが、留守番電話の録音、再生は無料通話対象外
UQモバイル固有のデメリットとしては、
- 法人用サイトが整備されておらず、オンラインで申し込み完結できない(電話による申し込みになります。)
結局どちらがおすすめ?
ワイモバイルとUQモバイルを比較すると、結論として、ワイモバイルがおすすめです。
理由としては、以下の4点になります。
ワイモバイルとUQモバイルは、どちらもサブブランドなので、ネットワーク・回線速度に関しては、どちらも格安SIMの中で非常に優れています。
インフラ部分のサービスでは、ほとんど両者に差がないので、見るべきポイントは2点です。
- 価格・割引があるか
- 手続き・サポートがオンライン、オフラインで充実しているか
その点、ワイモバイルは、法人契約割引と法人ダイレクト特化セール値引きを受けることができるので、UQモバイルと比較してコストを下げることができます。
また、UQモバイルの5G対応が2021年夏を予定しているのに対して、ワイモバイルは5G対応済みなので、ソフトバンクの5Gエリアであれば、さらに快適に通信できます。
Y!mobile法人契約の申込方法
- ワイモバイル公式サイト
- 法人のお客様をクリック
- 料金シミュレーションをクリック
- シミュレーション結果を確認
- 注意事項を確認
- 選択したプランで申し込む
- 申し込みフォーム入力(SIMの端末対応状況を確認)
- 法人確認書類の入力
- 会社情報入力(法人番号が必要、代表番号は固定電話か050始まりの番号が必須)
- 請求先情報入力
法人確認書類
担当者の本人確認書類
担当者の在籍証明書類
まとめ|法人契約はワイモバイルがおすすめ
まとめると、社用携帯、社用スマホの法人契約は、基本料が安く、かけ放題オプションがあるワイモバイルがおすすめです。
>>Y!mobile公式サイトを確認