銀行や証券会社、クレジットカードなどの口座やアカウント情報を連携して、自動で収支を記録してくれる家計簿アプリのマネーフォワード。
楽天カードや楽天証券、楽天銀行を連携することで、日々の収支を自動的に把握できるようになるので、家計簿だけでなく資産管理にも使えて非常に便利ですよね。
ちなみに、マネーフォワードは、2500以上もの金融機関に対応していて、電子マネーやECサイト、Tポイントなども連携することができます。
しかし、2020年銀行法改正を受けて、マネーフォワードと楽天銀行との連携が、一部の口座でできなくなりました。
今回は、楽天銀行との連携停止の背景、他の家計簿アプリの連携状況、マネーフォワードとその他の銀行の連携状況について解説していきます。
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背景はオープンAPI構想とセキュリティ問題
今回の連携停止の背景は、銀行法改正にあります。
なお詳しくは、マネーフォワードのサポートサイトをご覧ください。
マネーフォワードは、今回の銀行法改正に基づいて、「電子決済等代行業者」となりました。
そして、これまでは特にユーザーの情報取得の仕方にルールがありませんでしたが、ユーザーの銀行口座の情報を取得するときは、「電子決済等代行業者」であるマネーフォワードと銀行との個別の契約(合意)が必要になりました。
それを受けて、マネーフォワードはこれまで連携していた銀行や信用金庫などと協議・調整をしていたようです。
一部抜粋します。
弊社ではこれを受けまして、対応の協議・検討をすすめてまいりました。
「マネーフォワード ME」では、多くの銀行におきましては再連携の操作のみでこれまで同様もしくはこれまでに近い形で口座連携ができますが、一部の銀行におきましては提供機能の内容を変更させていただくことといたしました。
引用元:マネーフォワード
この一部の銀行のなかに、楽天銀行が該当します。
以下具体的にどうなったのか、解説します。
銀行法改正によりマネーフォワードと楽天銀行の合意(契約)が必要になった
マネーフォワードと楽天銀行(連携可能※定期・外貨は停止)
マネーフォワードと楽天銀行は、継続して連携が可能です。
ただし、楽天銀行の外貨預金口座、定期預金口座のみ、連携停止となってしまいました。
外貨預金口座、定期預金口座については、
外貨預金、定期のみ連携が停止してしまいますが、メインとなる普通預金は引き続き連携ができるので、致命的な連携停止ではありませんでした。
Zaimと楽天銀行(連携可能)
Zaimについても、楽天銀行と引き続き口座連携が可能です。
850 万ダウンロードを超える国内最大級の個人向け家計簿サービス「Zaim」を運営する株式会社 Zaim(本社:東京都港区・代表取締役:閑歳 孝子)は、株式会社楽天銀行(本社:東京都世田谷区・代表取締役社長:永井 啓之)と API 連携に関する契約を締結しました。正式な API 連携の開始は、2020 年 5 月 18 日以降より順次行います。
今回の取り組みにより、従来より提供している銀行連携機能において、楽天銀行の明細自動取得を行う場合は API 連携を行います。API(Application Programming Interface)とは、銀行が保有している顧客の口座情報等を、銀行と顧客の同意の元にセキュリティを確保しつつ銀行外のサービスで利用できるようにする仕組みです。これにより、ユーザーは、よりセキュアに正確なデータを Zaim で利用することができます。
引用元:Zaimプレスリリース
↓プレスリリースの詳細はこちら↓
マネーツリーと楽天銀行(連携不可)
マネーツリーに関しては、楽天銀行との連携が2020年6月1日以降全てストップしました。
はじめに、Moneytreeに楽天銀行(個人口座、法人口座ともに)をご登録いただいているお客さまへ、心よりお詫び申し上げます。
マネーツリーは2020年6月1日以降、改正銀行法による銀行オープンAPIの制度化を受け、楽天銀行との協議を行ってまいりましたが、この度、6月1日時点での接続を行わないことを決定いたしました。Moneytreeに楽天銀行をご登録されているお客さまにはご不便をおかけし、誠に申し訳ございません。
マネーツリーは、楽天銀行とAPI接続条件の合意に至れるよう継続して尽力してまいります。
6月1日以降の表示については、5月31日以前の最終更新時のままとなりますので残高取引明細の確認は楽天銀行が提供しているシステムをご利用ください。
引用元:マネーツリーヘルプページ
詳細は下記の記事を参考↓
楽天銀行が全面的に連携できなくなると、家計簿アプリとしての使い勝手はかなり落ちると言わざるをえません。
マネーフォワードの一部の銀行連携の提供機能が変わった
パターンは4つ
パターン1機能変更なし(再認証のみ必要) 25行
- あおぞら銀行
- イオン銀行
- オリックス銀行
- 神奈川銀行
- 関西みらい銀行
- きらやか銀行
- 熊本銀行
- 埼玉りそな銀行
- 佐賀銀行
- 滋賀銀行
- 七十七銀行
- 清水銀行
- 親和銀行
- 常陽銀行
- 富山銀行
- 長野銀行
- 東日本銀行
- 福岡銀行
- 福島銀行
- みずほ銀行
- 宮崎銀行
- ゆうちょ銀行
- りそな銀行
- 琉球銀行
- 横浜信用金庫
変更日 | 2020年5月7日以降順次 |
変更後 | 「連携方式が変更されました。再連携を行ってください。」のエラーが表示されたら、再連携をしましょう ※再連携時に口座の削除は不要(取得したデータが削除されてしまいます) |
このあたりの銀行は、影響はほぼないですね。連携方式がウェブスクレイピングからAPI連携に変更になっただけかと思われます。使ってる側からすると、特に変わるところはありません。(ただし一部はスクレイピング契約のままのところあるようです。)
パターン2一部資産(普通預金以外)の更新停止 29行 + 信用金庫の一部・労働金庫
- 愛媛銀行(投資信託のみ更新停止)
- auじぶん銀行(住宅ローンのみ更新停止)
- 沖縄銀行(投資信託・定期のみ更新停止)
- 香川銀行(投資信託・定期のみ更新停止)
- 北日本銀行(定期のみ更新停止)
- 紀陽銀行(貯蓄のみ更新停止 ※パターンに変更があり追記しました)
- 高知銀行(定期のみ更新停止)
- 山陰合同銀行(投資信託のみ更新停止。およびパターン3)
- ジャパンネット銀行(投資信託・FXのみ更新停止)
- 十六銀行(投資信託・住宅ローン・外貨のみ更新停止)
- 新生銀行(投資信託のみ更新停止)
- 大光銀行(定期のみ更新停止)
- 第三銀行(定期のみ更新停止)
- 大東銀行(投資信託・定期のみ更新停止)
- 中京銀行(定期のみ更新停止)
- 徳島大正銀行(定期のみ更新停止)
- トマト銀行(定期のみ更新停止)
- 南都銀行(住宅ローン・外貨のみ更新停止)
- 西日本シティ銀行(投資信託・外貨のみ更新停止)
- 肥後銀行(投資信託・住宅ローンのみ更新停止)
- 百五銀行(投資信託・住宅ローン・カードローンのみ更新停止 ※外貨口座は連携可能)
- 北海道銀行(住宅ローンのみ更新停止)
- 北國銀行(外貨、住宅ローン・自動車ローン・その他ローン(カードローンを除く)のみ更新停止 )
- 三重銀行(投資信託のみ更新停止。およびパターン3)
- 三菱UFJ信託銀行 (実績配当型合同運用指定金銭信託〔愛称:投資の一歩〕のみ停止)※教育資金贈与信託口座は、受益者本人の場合のみ連携可能
- 三菱UFJ銀行(三菱UFJ-VISA スーパーICカードのみ更新停止)
- 武蔵野銀行(投資信託・住宅ローンのみ更新停止)
- 山梨中央銀行(投資信託・住宅ローン・カードローン・公共債のみ更新停止)
- 楽天銀行( 定期・外貨のみ更新停止)
- 信用金庫の一部( 投資信託・定期・外貨・国債のみ更新停止)
- 労働金庫(投資信託・定期・住宅ローン・その他ローン(カードローンを除く)のみ更新停止)
変更日 | 2020年5月7日以降順次 |
変更後 | ・再連携後、該当の口座の連携情報の更新は停止 ・該当の口座情報を新規で連携できなくなる ・該当口座の残高は0円になる ※再連携時に口座の削除は不要(取得したデータが削除されてしまいます) |
こちらは、銀行側が普通預金は最低限APIで連携してくれるが、他の口座はわざわざAPIで連携したくないよ、というような場合と考えられます。
投資信託や定期預金を連携停止するケースが多いです。
連携のためのAPIを用意するのは銀行側です。
パターン2のケースでいうと、銀行側が定期預金や投資信託のAPIを用意することにハードルがあったとも考えられます。
パターン3手動による更新機能の停止 10行
- 愛知銀行
- 足利銀行
- 池田泉州銀行
- 京都銀行
- 山陰合同銀行
- 四国銀行
- 島根銀行(※手動による更新機能の停止時期は未定)
- 鳥取銀行
- 福井銀行
- 三重銀行
変更日 | 2020年5月25日 |
変更後 | ・連携情報の更新がシステムによる自動更新のみとなる ・ユーザーによる手動更新・一括更新はできない ・再連携が必要な状態など、ユーザーの操作が必要な場合は、システムによる自動更新はおこなわれない ※ システムによる更新頻度は金融機関により異なる ※ プレミアムサービスをご利用の場合においても対象となる ※ プレミアムサービスをご利用の場合、無料会員に比べて自動更新の頻度が高くなる ※再連携時に口座の削除は不要(取得したデータが削除されてしまいます) |
手動更新ができなくなる理由で考えられるのは、API連携に料金が発生するか、APIのリクエストの回数の上限が決まったいるためと思われます。
地銀が多いので、API連携のキャパシティが限られているのかもしれません。
パターン4口座連携の停止 商工中金+信用組合の一部
- 商工中金
- 警視庁職員信用組合
- 埼玉県医師信用組合
- 東京都職員信用組合
- 富山県信用組合
変更日 | 2020年5月25日 |
変更後 | ・連携情報の更新が停止となる ・該当の銀行を新規で連携できなくなる ・該当の銀行の残高は、停止時の状態もしくは0円になる ※いままで連携している情報を保持する場合は、口座は削除しないようにする |
こちらは、残念ですが、連携は諦めないといけません。
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