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楽天でんきが新規受付を一時停止!今さら聞けない電力自由化とは?

楽天でんき新規受付一時停止電力・ガス
引用元:楽天でんき
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こんにちは、楽マニおじさん(@raku_mani)です。

楽天ゴールドカードのSPU改定に続いて、楽天エナジーが提供する電気供給サービス「楽天でんき」が2021年1月26日に新規の申込受付を一時停止しました。

年明けから続く、卸売電力市場価格の高騰が影響したため、と言われています。

今回は、卸売電力市場価格っていったい何?という疑問や、新電力自由化ってそもそも何なの?という方に向けて、新電力自由化について、分かりやすく解説します。

この記事の読者さま
  • 新電力自由化ってよく聞くけどいまいち仕組みが分からない
  • 楽天でんき使っているけど大丈夫?
  • 楽天でんきに切り替え中だけど大丈夫?

電力自由化ってなに

電力自由化とは、正式には「電力の小売全面自由化」のことを指します。

これまで家庭や商店向けの電気は、東京電力や関西電力という一部の電力会社によって独占販売されていましたが、2016年4月1日以降は、電気の小売業への参入が全面自由化され、消費者が事業者を選ぶことができるようになりました。

電力の小売自由化の歴史

引用元:経済産業省資源エネルギー庁

電力自由化は、実は2000年3月からはじまっており、当初「特別高圧」(大規模工場やデパート、オフィスビル向けの電気)から新規参入が可能になりました。

そして、2004年4月・2005年4月さらに拡大し、中小ビルや中小規模工場向けの「高圧」区分の電気も新規参入が可能になりました。

そして、最後に2016年4月に「低圧」(家庭や商店向けの電気)も新規参入が可能となったのです。

  1. 大規模工場やデパート、オフィスビル向けの特別高圧の小売自由化
  2. 中小ビルや中小規模工場向けの高圧の小売自由化
  3. 全面自由化(家庭や商店向けの低圧)

そもそも電力供給の仕組みとは

電力小売全面自由化のあとも、物理的な電力供給の仕組みについては、(原則)変更はありません。電力会社を切り替えても、一般消費者で何か異なることをするわけではありませんよね。

引用元:経済産業省資源エネルギー庁

電力は、発電所→送電線→変電所→配電線の順番で一般家庭や商店まで供給されています。

楽マニおじさん
楽マニおじさん

余談ですが、小学生の社会でも、地図記号で発電所と変電所って紛らわしかったのをすごく覚えています。

発電部門水力、火力、原子力、太陽光、風力、地熱などの発電所を運営し、電気を作る部門参入OK
送配電線発電所から消費者までつながる送電線・配電線などの送配電ネットワークを管理。物理的に電気を家庭に届ける部門n。また、ネットワーク全体で電力のバランス(周波数等)を調整し、停電を防ぎ、電気の安定供給を守る要となる部門参入NG
小売部門消費者と直接やりとりをし、料金メニューの設定や、契約手続などのサービスを行う。また、消費者が必要とするだけの電力を発電部門から調達するのも、この部門の役割。
電力小売全面自由化により、 小売部門 において、新たに事業者が自由に参入できるようになった。
参入OK
楽マニおじさん
楽マニおじさん

この仕組みを見ると、通信でのMNO(キャリア)、MVNO(格安SIM会社)の構造と非常によく似ていますね。

電力の小売全面自由化でどう変わった?

「電力の小売全面自由化」によって、一般の電気小売市場はどう変わったのでしょうか。

消費者から見た変化・電力会社を自由に選べるようになった
・料金メニュー、サービスが増えて細かいニーズに応じた選択ができるようになった
電気とガス、電気と携帯電話などの組み合わせによるセット割引、ポイントサービスなども登場
・再生エネルギーの電気を取り扱う事業者を選ぶ、という選択も可能
事業者から見た変化・電力の小売という独占市場に新規で参入することができるようになった
・事業者の創意工夫によって、サービスを提供できるようになった

個人的に多くなったなというケースは、ガスト電気のセット販売、携帯電話と電気のセット販売などです。

消費者も、今までの電気料金から安くなるので、メリットが大きいものだったといえます。

今さら聞けない電力自由化についてのギモン

Q.契約した電力会社が倒産したら電気の供給はどうなるの?

契約していた電力会社の倒産によりただちに供給が停止することはありません。

新たな供給元が見つかるまでの間は、各地域の電力会社(東京電力、関西電力等)から供給を受けることができます。

楽マニおじさん
楽マニおじさん

格安SIM会社でも経営がうまくいかず、他社に買収されるという事例もあるので、電力会社においても、電力会社が倒産することは可能性としてあります。そんな場合も、東京電力や関西電力などのエリアの電力会社が電気を供給してくれるので、電気が止まってしまう、ということはないので安心ですね。

Q.賃貸住宅でも電力の切り替えはできる?

賃貸住宅でも電力会社の切り替えは可能です。(ただし、契約名義が本人である必要があります。)

Q.東京電力や関西電力などの電力会社以外にして停電が増えたりしない?

契約した電力会社が電気を調達できなかった場合でも、送配電網を管理する会社がその分を補給するので、ただちに電気の供給が止まることはありません。また、電気そのものの品質や信頼性については、どの小売会社から購入しても元を辿れば一緒です。

登録小売電気事業者一覧

登録小売電気事業者は2020年12月28日現在で、698事業者が登録しています。

非常に多くの事業者が新規参入しているのが分かります。

なお、登録小売電気事業者一覧は、経済産業省資源エネルギー庁のサイトにまとめられています。

電気料金の仕組みについて

過去の電気料金は総括原価方式

電力自由化前は、「低圧」電気は、「将来の一定期間に見込まれる電力使用量と設備を想定し、必要な原価に利益を加えたもの」を総括原価として電気料金を算定していました。

つまり、東京電力や関西電力が電気料金の原価に利益を乗せた料金を支払っていたという仕組みです。

この方式だと、電力会社は必ず儲かりますし、料金が安くなったり、サービスがよくなるインセンティブは基本的にありません。

新電力会社の電気の調達について

新電力会社は電気を供給するために、調達する必要があるのですが、その仕組みについて説明します。

新電力会社の電気の調達先
  • 卸電力取引所(JEPX)で市場調達
  • 発電所を持つ会社と直接契約
  • 自社発電所で発電
  • バランシンググループ
  • 大手電力会社から供給「常時バックアップ」
  • インバランス

卸電力取引所(市場調達)での調達が最も一般的

電気は「日本卸電力取引所」というマーケットで日々売買されています。株式市場や為替と同じようなイメージです。

ちなみに、Japan Electric Power eXchangeでJEPXと略されます。

電力約定価格
引用元:JEPX
電力約定総量
引用元:JEPX

新電力の調達先として最も割合が大きいのが、この日本卸電力取引所での調達です。

発電所を持つ会社と直接契約

発電所をもつ会社と直接契約して電気を調達する方法です。

石油会社や製鉄会社、製紙会社などが発電所を保有しており、そうした発電所と直接契約して電気を調達します。

卸電力取引所での調達と比べて、調達価格が安定しやすいのがメリットです。

自社発電所で発電

自社が保有している発電所で電気を発電する新電力会社もいます。

ENEOS(ENEOSでんき)は、自社で石油を燃料とする火力発電所を保有しています。

バランシンググループ

複数の新電力会社が加入して、グループで電気の調達を行うやり方です。

大手電力会社から供給「常時バックアップ」

新電力の需要の一定量を、大手電力会社から調達するやり方です。

インバランス

新電力会社は、自社の顧客の「需要」に対して「供給」する量を合わせる義務を負っています。しかし、需要に対して供給が追いつかなかった場合、消費者保護のため送電線を管理する会社が代わりに需要と供給を一致させることになっています。

これをインバランスといいます。

ちなみに需要よりも多く供給(調達)した場合は、割安な価格で買取が行われます。

2020年冬JPEX(日本卸電力取引所)での市場価格が高騰

2021年1月中旬から、厳冬の影響により、電力消費が増え、卸売市場での価格が高騰しました。

引用元:JPEX

2021年1月15日、一時1kwh(キロワットアワー)で250円をつける高騰となりました。前月と比べると、25倍の値上がりともいわれています。

上の1月27日の価格と比べてめちゃくちゃ高騰しているのが分かります。

新電力会社のプランに要注意→市場価格連動型料金プランは電気料金が高騰の恐れ

ほとんどの新電力会社は、このような調達価格変動リスクを自社で負っています。

しかし、ごく一部の新電力会社で、市場価格と連動した料金プランにしている会社があり、その場合は価格変動のリスクは消費者が負うことになります。

なお、楽天でんきは市場価格連動型料金プランではないので、消費者は全く心配はありませんが、価格高騰のリスクを負ってしまった楽天でんき側は調達コストが激増しているはずです。

そのため、一時的に新規受付を停止したと考えられます。

市場価格に影響を受ける可能性が高い電力会社について、下記のサイトでまとめられていました。

一部抜粋させていただくと、

「市場連動型プラン」を採用している電力会社、電気料金の一部が市場と連動するプランを提供する主な電力会社は以下の通りです。

従量料金が市場と連動する「市場連動型プラン」を提供している電力会社

>自然電力、エルピオ(市場連動プランのみ)、ダイレクトパワー、テラエナジー、ハチドリ電力など

電源調達費など電気料金の一部が市場と連動するプランを提供する電力会社

>ハルエネでんき、エフエネ、ジニーエナジー、みんな電力、めぐるでんき、おトクでんき、アスエネなど

引用元:https://enechange.jp/articles/market-linkage-plan-summary

市場価格高騰の影響を受けない新電力会社に変更を

市場連動型プランで契約している場合は、市場価格高騰の影響を受けない新電力会社への変更をしておくのが無難です。(特に冬場は暖房機器の使用のため電気消費が激しく、需給が逼迫する可能性があります。)

ちなみに、筆者はENEOSでんきを利用しています。

ENEOSは石油会社で火力発電所を自前で持っている会社です。自社発電による安定した電力供給が魅力ですん。

>ENEOSでんき

このまま楽天でんきを契約していて大丈夫?

楽天でんきのHPでは、下記のお知らせが出ています。

引用元:楽天でんき
お知らせ内容
  • 楽天でんき・楽天でんきBusinessの新規申し込み受付を一時停止
  • 楽天でんき受付停止に伴って、楽天ガスの新規申し込みも停止
  • 現在利用中の契約は、従来どおりのプラン・料金で今までどおりサービス利用可能
楽マニおじさん
楽マニおじさん

ちなみに楽天でんきはサービス名で、事業者としては「楽天モバイル株式会社」になります。色々とややこしいですね。

楽天でんきに切り替え中だけどどうなるの?

既に申込み済みの契約については、手続きはそのまま進められるので影響なし。申込み内容に不備が発生した場合は、従来通り申込み情報の修正を依頼される。