こんにちは、楽マニおじさん(@raku_mani) です。
先日、Twitterでフォローしているたぱぞうさんのブログにて、非常に興味深い内容の記事を見つけました。
記事の内容は非常にシンプルで、行政の福利厚生施設を活用すると、低コストで生活を豊かにすることができる、という内容です。
公共施設や福利厚生施設の例でいうと、以下のものです。
- 図書館
- 美術館
- 博物館
- フットサルコート
- バスケットボールコート
- バドミントンコート
- 卓球
- テニスコート
- ジム
- プール
- ジョギングコース
- テニススクール
- ヨガスクール
- 語学スクール
- 料理教室
筆者自身も、区営スポーツジムを利用したことがあり、一般のスポーツジムに比べて非常に低価格だったのを覚えています。また、本も大好きなので、東京にいた頃は、日比谷図書館もよく利用していました。
確かに、行政の福利厚生施設をうまく活用すると人生が豊かになります。子育ての面を考えても、メリットが多そうですね。
政令市よりも中核市の行政の福利厚生が相対的に良い?
しかし興味深かったのは、それだけではありませんでした。
記事を一部抜粋します。
費用が全然違います。市営ジムのほうが安いのです。しかも、利用者密度は市営のほうが薄いです。マシンに過度に並んだり、エクササイズに予約が必要ということはありません。
これはなぜかというと、私の実家は政令市であり、現在の住まいは中核市だからです。首都圏政令市における福利厚生の薄さは学生時代から実感するところでした。
例えば政令市営の安いジムは自転車や徒歩で通える範囲にはありません。また、テニスコートやフットサル場も競争率が激しくて殆ど当選しません。大都会というのは行政による福利厚生が著しく薄まっていると感じます。利用者数に対して施設が少ないのです。
郊外の市営体育館ではフットサル教室やヨガ教室も開催されており、コンテンツの充実は素晴らしいの一言です。 ただし、田舎すぎると財政が弱いため貧弱な施設か、施設そのものがないということになります。
引用元:たぱぞうの米国株投資
本記事によると、人口が多すぎる首都圏政令市の福利厚生は薄く、郊外などの中核市は行政による福利厚生が相対的に手厚いと実感できる、という内容です。
東京に住んでいるときは、独身でしたし、人が多すぎるのが当たり前なので、行政による福利厚生の手厚さにあまり意識を向けたことはありませんでした。
確かに、住む場所を決める上で、行政による福利厚生(行政サービス全般)が充実しているかどうかは非常に重要ですよね。
特に、子育てをしてみて、そういった福利厚生施設のありがたみを実感することも増えてきそうです。
そこで、今後の参考になるように、中核市について調べてみました。
中核市とは
まず、中核市の定義は以下です。
中核市の要件として人口20万人以上というのが一つの基準になっているようです。
ちなみに政令市の定義はこちらです。
中核市はこれだけある
次に中核市の一覧です。
2020年4月1日時点で、以下の60市が中核市に指定されています。
地方 | 都道府県 (振興局) | 中核市 | 指定日 |
---|---|---|---|
北海道地方 | 上川総合振興局 | 旭川市 | 2000年(平成12年)4月1日 |
渡島総合振興局 | 函館市 | 2005年(平成17年)10月1日 | |
東北地方 | 青森県 | 青森市 | 2006年(平成18年)10月1日 |
八戸市 | 2017年(平成29年)1月1日 | ||
岩手県 | 盛岡市 | 2008年(平成20年)4月1日 | |
秋田県 | 秋田市 | 1997年(平成9年)4月1日 | |
山形県 | 山形市 | 2019年(平成31年)4月1日 | |
福島県 | 郡山市 | 1997年(平成9年)4月1日 | |
いわき市 | 1999年(平成11年)4月1日 | ||
福島市 | 2018年(平成30年)4月1日 | ||
関東地方 | 茨城県 | 水戸市 | 2020年(令和2年)4月1日 |
栃木県 | 宇都宮市 | 1996年(平成8年)4月1日 | |
群馬県 | 前橋市 | 2009年(平成21年)4月1日 | |
高崎市 | 2011年(平成23年)4月1日 | ||
埼玉県 | 川越市 | 2003年(平成15年)4月1日 | |
越谷市 | 2015年(平成27年)4月1日 | ||
川口市 | 2018年(平成30年)4月1日 | ||
千葉県 | 船橋市 | 2003年(平成15年)4月1日 | |
柏市 | 2008年(平成20年)4月1日 | ||
東京都 | 八王子市 | 2015年(平成27年)4月1日 | |
神奈川県 | 横須賀市 | 2001年(平成13年)4月1日 | |
中部地方 | 富山県 | 富山市 | 2005年(平成17年)4月1日 |
石川県 | 金沢市 | 1996年(平成8年)4月1日 | |
福井県 | 福井市 | 2019年(平成31年)4月1日 | |
山梨県 | 甲府市 | 2019年(平成31年)4月1日 | |
長野県 | 長野市 | 1999年(平成11年)4月1日 | |
岐阜県 | 岐阜市 | 1996年(平成8年)4月1日 | |
愛知県 | 豊田市 | 1998年(平成10年)4月1日 | |
豊橋市 | 1999年(平成11年)4月1日 | ||
岡崎市 | 2003年(平成15年)4月1日 | ||
近畿地方 | 滋賀県 | 大津市 | 2009年(平成21年)4月1日 |
大阪府 | 高槻市 | 2003年(平成15年)4月1日 | |
東大阪市 | 2005年(平成17年)4月1日 | ||
豊中市 | 2012年(平成24年)4月1日 | ||
枚方市 | 2014年(平成26年)4月1日 | ||
八尾市 | 2018年(平成30年)4月1日 | ||
寝屋川市 | 2019年(平成31年)4月1日 | ||
吹田市 | 2020年(令和2年)4月1日 | ||
兵庫県 | 姫路市 | 1996年(平成8年)4月1日 | |
西宮市 | 2008年(平成20年)4月1日 | ||
尼崎市 | 2009年(平成21年)4月1日 | ||
明石市 | 2018年(平成30年)4月1日 | ||
奈良県 | 奈良市 | 2002年(平成14年)4月1日 | |
和歌山県 | 和歌山市 | 1997年(平成9年)4月1日 | |
中国地方 | 鳥取県 | 鳥取市 | 2018年(平成30年)4月1日 |
島根県 | 松江市 | 2018年(平成30年)4月1日 | |
岡山県 | 倉敷市 | 2002年(平成14年)4月1日 | |
広島県 | 福山市 | 1998年(平成10年)4月1日 | |
呉市 | 2016年(平成28年)4月1日 | ||
山口県 | 下関市 | 2005年(平成17年)10月1日 | |
四国地方 | 香川県 | 高松市 | 1999年(平成11年)4月1日 |
愛媛県 | 松山市 | 2000年(平成12年)4月1日 | |
高知県 | 高知市 | 1998年(平成10年)4月1日 | |
九州地方 | 福岡県 | 久留米市 | 2008年(平成20年)4月1日 |
長崎県 | 長崎市 | 1997年(平成9年)4月1日 | |
佐世保市 | 2016年(平成28年)4月1日 | ||
大分県 | 大分市 | 1997年(平成9年)4月1日 | |
宮崎県 | 宮崎市 | 1998年(平成10年)4月1日 | |
鹿児島県 | 鹿児島市 | 1996年(平成8年)4月1日 | |
沖縄地方 | 沖縄県 | 那覇市 | 2013年(平成25年)4月1日 |
基本的には、地方は県庁所在地がおおよそ中核市にあたるようになっています。
もちろん、少ないですが、県内に一つも中核市がない都道府県もあります。(佐賀県、徳島県など)
筆者自身、非常に転居が多く、今後も複数回発生しそうなライフプランなので、行政サービスや福利厚生施設の充実具合も鑑みて、住む場所を選択していきたいと思いました。
こういった観点は、不動産投資においても活きてきそうです。
個人的には住居コストは抑えて行政サービスが充実した都市に住みたい
たしかに東京や大阪などの都会ど真ん中に住むのも非常に魅力的と感じます。
タワーマンションやショッピングセンター、美味しい飲食店など非常に多いですし、遊びにいくところも充実しています。
しかし、東京都の人口は引き続き増加するとともに、不動産価格も上昇しており、住居コストが非常に高額になっています。
高所得者の目安となっている年収1,000万円でも、ダブルインカム(共働き)で無ければ、都内で贅沢な暮らしは難しいのが現状です。
なので、個人的には、住居コストはできる限り抑えて、ある程度の行政サービスが充実している都市に住むのが理想です。
手取りに対する家賃はどれくらいかかる?
東京で、港区・品川区・目黒区・渋谷区などの比較的便利な立地でそこそこのマンションに住んでいると、手取り収入の25%〜35%ほどは少なくとも住居コストに持って行かれてしまいます。
簡易モデルケース1)年収600万円独身・品川区ワンルーム(1K)
年収 | 600万円 |
月収 | 50万円 |
手取り月収 | 40万円 |
家賃 | 10万円(25%) |
簡易モデルケース2)年収800万円既婚(子供1人・奥さん専業主婦)・品川区1LDK
年収 | 800万 |
月収 | 67万 |
手取り月収 | 50万 |
家賃 | 18万(36%) |
共働きでない限り、人気エリアに2LDKの賃貸に住むことは、よほどの高収入でないと不可能なのです。(もちろん物件によっては可能ですが、物件のグレードはかなり下がります。)
住居コストを減らす方法
住居コストを減らす方法はいくつかあります。
- 会社の福利厚生で住居手当をもらう
- 都内人気エリアに住まない
- 個人事業主となって経費として扱う
サラリーマンで最も理想的なのが、「会社の福利厚生で住居手当をもらう」です。
知り合いが勤めている大企業だと10万円近い補助があると聞いたこともあります。やはり大企業の福利厚生は未だに手厚いですね。住宅手当や家賃補助は実質的な給与といえます。
しかし、現実には大企業で住居手当をもらえる人は一握りなので、「都内人気エリアに住まない」を選択する人がほとんどかと思います。
例えば中核市である船橋市の1LDKの家賃相場は9万円、2LDKでも12万円ほどです。(LIFUL HOME’S)
単純計算で同じ間取りだと住居コストは半分になります。
住居コストと満員電車通勤はトレードオフだった
しかし、都心にアクセスの良い千葉や埼玉のエリアからの通勤は、ほぼほぼ満員電車になります。住居コストを下げたいのはもちろんですが、満員電車で通勤するというのは本当に辛いですよね。
通勤のストレスのない都心に住むのと、住居コストの安い郊外に住むかの選択は悩ましいポイントですね。これまでは、住居コストと通勤ストレスはトレードオフの関係にありました。
しかし、昨今リモートワーク(テレワーク)が徐々に浸透してくるにつれて、そのトレードオフ関係が薄まってきています。
リモートワークは働く場所を選びませんから、理論的にはどこでも働くことができます。(もちろん勤め人として許される範囲で)
なので、東京の会社で働きつつ、住居コストの安い郊外や地方で生活する、というライフスタイルが可能になってきているのです。
郊外や地方でも、ある程度の市街地であれば、車を持つ必要もないので、住居コスト分がまるまる固定費から削れて、自由にできるお金が増えます。
簡易モデルケース1)年収600万円独身・首都圏中核市ワンルーム(1K)
年収 | 600万円 |
月収 | 50万円 |
手取り月収 | 40万円 |
家賃 | 6万円(16%) |
簡易モデルケース2)年収800万円既婚(子供1人・奥さん専業主婦)・首都圏中核市2LDK
年収 | 800万 |
月収 | 67万 |
手取り月収 | 50万 |
家賃 | 12万(24%) |
住居コストが15%になると驚くほどお金が貯まる
筆者は地方→海外(シンガポール)→東京→地方と住む場所を変えているのですが、最も貯蓄率が下がったのが、東京に住んでいた時です。
手取りは増えているはずなのに、住居コストが大きく上昇して、なおかつ飲み会なども増えて全くお金が貯まらなかったのです。この時の住居コストは手取りの25%ほどでした。
逆に、手取りが最も低かった最初の地方勤務のときは、住居コストがルームシェアをしていたこともあり、10%程度で、貯蓄もどんどん増えました。
(ちなみにシンガポールは住居コストでいうと東京よりもさらに高いのですが、所得税がめちゃくちゃ安いため、可処分所得が大幅に上がりました。)
今は結婚しているので、さすがにルームシェアはもうできないですが、住む場所を選ぶことによって住居コストを15%に抑えることはできそうです。(家族持ちで共働きでなければ少し難しいですが)
住居コストを下げつつ、エリア選びは中核都市という概念も参考に
貯蓄率を今より上げたいのであれば、共働きや住居コストを下げる転居が、即効性があります。
ただし、住居コストを下げる場合は、住むエリアが重要になってきます。
そのときは、行政サービスの手厚さ、福利厚生施設の充実度も重要なポイントになってきますので、中核市という概念を理解して探すと失敗が減るのではないかと感じました。