この記事では、キャッシュレスは結局どこが一番おすすめか分からない、という方向けに書いています。実はキャッシュレスのプレーヤーの相関関係は2019年から2020年にかけて、大きく変化しています。古い情報もまだまだ多いと思いますので、最新のキャッシュレス事情を分かりやすくまとめておきました。
キャッシュレスの種類
キャッシュレスとは何を指すの?
キャッシュレスとは現金・紙幣を使わずに支払いをすることです。簡単に言うと、「お金を支払うときに、現金以外で支払う」ことをいいます。大きく分けると、クレジットカード、電子マネー、QRコードがあります。その他、銀行引き落としなども広義のキャッシュレスには当てはまります。
しかし、現在私達がキャッシュレスというときは、ほとんどがクレジットカード、電子マネー、QRコードのことをいってますね。
なぜキャッシュレスが推進されているのか
2025年までに普及率40%を目指す
日本では政府が主導してキャッシュレス化を進めようとしています。その方針として、以下のようなものを掲げています。
① 「日本再興戦略」改訂2014
2020年のオリンピック・パラリンピックなどを踏まえて、キャッシュレス決済による決済の利便性・効率性の向上を図る
② 「日本再興戦略2016」
・「キャッシュレス化に向けた方策」の推進
・外国人が訪れる主要観光施設などでカード対応するといった観光ビジョンの推進
・ビッグデータの利活用
③ 「未来投資戦略2017」
・2027年6月までに、キャッシュレス決済比率を4割程度とすることを目指す
・FinTech の活用などを通じた消費データの更なる共有・利活用促進のため、クレジットカードデータ利用に係る API 連携の促進などの環境整備
(参考:経済産業省「キャッシュレス研究会の方向性」)
その後、経済産業省は「キャッシュレス・ビジョン」において、現在は20%程度のキャッシュレス決済比率を、2025年までに40%程度に引き上げることを目指すという「支払い方改革宣言」を発表しました。
もともとは、「未来投資戦略2017」において2027年までに目指すとされていた目標が、大阪・関西万博に向けて2年前倒しになった形です。
なお、世界各国のキャッシュレス決済比率は韓国の96.4%をはじめとし、イギリスが68.7%、オーストラリアが59.1%とかなり高い数値となっています。
<ポイント還元制度の要点>
キャッシュレス普及を促進する日本政府は、2019年10月の消費税率引き上げにともない、キャッシュレス決済をすることで最大5%還元の減税措置を講じています。
キャッシュレス決済に対してのみ適用
ポイント還元率は中小店舗で5%、大規模チェーン店などで2%
実施期間は2019年10月1日(火)~2020年6月30日(火)まで

キャッシュレスの分類
さて、一概にキャッシュレスといった場合、どういうふうに区別すればよいのでしょうか。ポイントは2つあります。
1つ目のポイントは支払いのタイミングです。
- 前払い(プリペイド)
- 即時払い
- 後払い
前払いとはプリペイド方式のことで、事前にお金をチャージ・入金して支払いをする形式です。交通系ICカードであるSuicaや流通系ICカードであるnanacoが分かりやすいかと思います。また、QRコードを前払い方式で支払いをすることが可能です。

即時払いとは、銀行口座と連携されていて、支払いがされるとすぐに銀行口座からお金が支払われる方式をいいます。銀行のキャッシュカードを作った際に、デビットカードも作るように進められたりしますよね。デビットカードが即時払いの典型例です。

後払いとは、その名のとおり支払いが終わったあとに請求がきて、支払いをする方式です。クレジットカードが典型例です。
2つ目のポイントは、支払い時にどうやって支払いを行うか、です。いわゆるインターフェースと呼ばれる部分です。
- 専用端末で読み込み(接触型)
- 専用端末で読み込み(非接触型)
- コード読み取り型(QR、バーコード)
接触型は、クレジットカードが定番で、お店の人にクレジットカードを渡して、専用端末で読み取らせます。クレジットカードでは磁気型とICチップ型があります。現在、クレジットカード各社は2020年までに全てIC型に切り替えると発表しています。なので、今後のメインはIC型となります。

最近は、コンビニなどで、クレジットカードを渡さず店頭に置いてある端末に自分で挿して読み取りができる端末も増えてきました。
セブンイレブンでは2018年からクレジットカード決済の方法が変更になったのを覚えています。

非接触型は、スマホやカードをかざすだけで、決済が完了するものです。ソニーとフィリップスが共同開発したNFCという規格が国際標準で最も一般的です。
日本では、スマホではいわゆるおサイフケータイ機能として、一般化していますが、これ自体は、NFCではあるものの、ソニーが独自に開発したFeliCaと呼ばれるNFCの中の一つのICカード技術なのです。
FeliCa技術は、Suicaなどの交通系のICカードやコンビニ・スーパーなどの流通系ICカードで広く利用されています。
Apple PayやGoogle Payでは、スマホをかざすことでSuicaなどを利用することができます。

このNFC規格は、非接触型系の土台技術で、他にもタスポや免許証の規格にも利用されています。
最後は、コード決済です。QRコードもしくはバーコードを用いた決済方式です。
コード決済は、スマホのカメラでQRコード読み取って支払いをする方式と、自分のコードを店舗側が読み取る2つの方式があります。
コード決済は、もともと中国でWeChatと呼ばれるLINEのようなメッセージSNSから派生したWeChatPayが爆発的に普及したことで一般化した決済方式です。中国では、ALIPAYも有名ですね。

特徴としては、事業者側の導入コストがとても低いことが挙げられます。店側がQRコードを置くだけで導入することができるため、専用端末がいらず、個人の経営している店舗で簡単に導入することができます。

また、決済だけではなく、個人間の送金や、割り勘なども可能なのが特徴です。特にスーパーアプリといって決済アプリだけでなく、配車ができたり、投資ができたり、生活の基本となるような行為が可能になります。
支払い方式ごとの特徴
以下では、支払い方式ごとに解説していきます。
クレジットカード(接触型ICが主流)
クレジットカードは、日本で最も普及しているキャッシュレス方式です。
特徴としては、
- 後払い
- 接触型
- プレイヤーが多く、カードごとに特典やポイントシステムがある
- 専用の端末が必要なため、店舗側の導入ハードルが高い
- クレジットカード会社に対して支払う手数料が高い
- 磁気型の場合、スキミングなどの被害にあう可能性がある
VISA、Master、AMEX、JCBなどが有名です。
飲食店などはクレジットカードを利用できないお店はかなり多いです。また、利益を少しでも上げるために、あえてクレジットカードを導入しないお店もあります。
非接触(タッチ)決済(Felica系)
交通系ICカード
Suica、パスモ、ICOCAなどです。
- 前払い型
- 非接触型
- 鉄道などの公共交通機関はほぼほぼ利用可能
- 専用端末が必要
流通系のカードはnanaco、WAONなどを指します。
他にiDやQUICPayがあります。iD、QuickPayは後払いが可能です。
非接触(タッチ)決済(NFC系)
Visaタッチと呼ばれる(過去にVisaペイウェイブと呼ばれていた)決済方式が有名です。カードに下の図のようなマークが入っていれば対応が可能です。

そして、使えるところ下記の図のように、対応マークのVisa加盟店で使うことができます。

ローソン、ジャパンタクシー、マクドナルド、TSUTAYAなどで利用することができます。

QRコード
日本では、2018年頃まではほとんど普及していませんでした。しかし、PayPayが後発にも関わらず、100億円のとんでもないキャンペーンをしてから、QRコード決済のキャンペーン合戦が始まり、LINE Payやメルペイも多額のキャンペーン費用を投じていたのが2019年でした。
もちろん筆者も最初の方は、キャッシュバック狙いで一応色々なQRコードアプリをダウンロードして、何度か使ってみました。しかし、その後雨後の筍のようにサービスが出てきて、だんだんと情報についていくのが煩わしくなってきました。
特徴は以下です。
- スマホで決済完結
- 個人間送金ができる
- スキミングなどのリスクがないため、セキュリティは比較的安全(ただし、セブンPayの事案あるので、技術力のない企業のサービスは心配)
- FeliCa決済に比べて、スマホを開いてアプリを開いてコード読み取ってもらう、もしくは読み取る必要があり手間が増える
- ポイント還元などのキャンペーンが多く、クレジットカードのポイントも貯めることができるため、上手くやれば、めちゃくちゃお得に買い物ができる

- 還元率が高い
- ポイントの二重、三重取りが可能
- 支払った履歴がすぐ見られる
下記に還元率、取り扱い店舗、もらえるポイントなどをまとめました。
サービス名 | 還元率 (銀行口座連携) | 還元率(クレジットカード連携) | 取扱店舗 | もらえるポイント | 個人間送金 |
PayPay | 1.5% | 1.5%(※1) | 170万店以上 コンビニから個人経営の飲食手間で幅広い | PayPayボーナス | 〇 |
楽天ペイ | 0.5%(※2) | 0.5% | 店舗数非公表 コンビニなど大手チェーンに対応 | 楽天スーパーポイント | 〇 |
LINE Pay | 0.5% | – | 店舗数非公表 コンビニ、ドラッグストア、飲食店など幅広いジャンル | LINEポイント | 〇 |
d払い | 0.5% | 0.5% | 店舗数非公表 コンビニやドラッグストアなどチェーン店 | dポイント | 〇 |
メルペイ | 還元なし | – | 店舗数非公表 大手店舗が多い | メルカリポイント | × |
au Pay | 0.5%(※3) | 0.5% | 店舗数非公表 大手店舗の一部で導入 | au WALLET ポイント | × |
※1 Yahoo!カードでチャージした場合のみ
※2 楽天銀行のみ対応
※3 じぶん銀行のみ対応
おすすめのキャッシュレス決済
さて、これまでかなり細かく説明してきましたが、これだけ持っておけば大丈夫!というキャッシュレス決済手段をご紹介します。
ここが今回の記事の最も重要な部分です。
- VisaもしくはMasterCardのクレジットカード(NFC機能付き)
- オートチャージ機能付きのSuicaもしくはモバイルSuicaもしくはiD
- PayPayとLINE Pay ※楽天カードユーザーであれば、楽天Pay
まずはApple PayかGoogle Payを利用可能に
前提条件として、キャッシュレスを進めていくのであれば、まずはApple PayかGoogle Payを利用できる状態にしておきましょう。Felica対応のiPhoenもしくはPixelを持っていれば大丈夫です。
iDもしくはsuicaを登録
非タッチ決済ができるように、iDもしくはsuicaをApple PayかGoogle Payと連携しておきましょう。電車に乗るときなどは、suicaが超便利です。
チャージも非常に簡単になります。
コード決済はPayPayが断然おすすめ
最後にコード決済については、PayPayが圧倒的におすすめです。理由としては、
- ある程度アプリが使いやすい
- 小規模店舗の開拓が進んでおり、取扱店舗が多い
- 還元率が1.5%と高い
- PayPayモールなど、楽天SPUと似たポイントUP制度がある
また、PayPay株式会社はソフトバンクとヤフーの合弁会社であり、親会社のヤフーはLINEと経営統合しました。(実質的にヤフーがLINEを買収しました。)つまりコード決済の市場ががかなりPayPay優勢に傾いているということです。
PayPayアプリのインストールはコチラからできます。
▼iOS用インストール▼
▼android用インストール▼
LINE Payは個人間送金の時にめちゃくちゃ便利
PayPayを進めてますが、個人間送金をしたい場合は、LINEが圧倒的に便利です。普段使っているLINEのチャットから送金を選択することができます。PayPayだと相手のアカウントを聞くかコードを読み取る必要があるので、若干手間が発生します。
なので、普段使いに関しては、PayPayで支払いをして、キャンペーン時や個人間送金をしたいときにLINE Payを使用するのがおすすめです。
メルペイはメルカリーユーザーであれば使い勝手が良い
メルペイはフリマアプリであるメルカリのユーザーであれば、使う価値があるでしょう。
メルカリの売上でポイントを購入して、メルペイ残高として利用することができるからです。
また、スマホ決済では珍しくiDでの支払いも可能です。メルペイ側で電子マネーカードを作成し、Apple Payでメルペイで作った電子マネーカードを登録して利用することが可能です。